新しい時代をつくる若者に、尽くす

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のめり込むほど車が好きだった。流れるようにビジネスが始まり、全力で第一線を駆け抜けた。たどり着いたビジョンは、次世代の育成とサポート。

中古車の並行輸入で事業を開始。一時は国内のフェラーリ販売シェアの50%を占め、アルファロメオ、MGローバー、ロータスなどの販売権を次々に獲得。現在はYouTubeにも活動の場を広げ、ビジネスパーソンへのメッセージを精力的に発信。ビジネス界の重鎮でもある南原竜樹会長に、事業のスタートからたどり着いた現在のビジョンと想いをお聞きした。

「好き」から始まった車ビジネス

─まず、南原会長が起業を志したきっかけを教えてください

車が好きだっただけで、特別な志はありません。最初はボロボロの車を買ってきて、ピカピカにして乗り回してた。自分で板金したり、パーツを交換したりするのが楽しくてね。それを見た友人が、「いくらで買ったの?」って欲しがるわけです。「車は5万だけど、修理代を入れると30万は掛かる」って言ったら、「その金額でいいから売ってくれ」と。私にしてみれば、プラモデルをきれいに組み立てたら高く買ってくれた感覚ですよ。「これで今度はもっといいプラモデルが買えるぞ」と、繰り返すうちにビジネスになったというわけ。

─南原さんにとって、仕事に「好き」の要素はあったほうがいいと思いますか

私には重要。好きこそ物の上手なれと言うように、私は知識も技術もあっという間に成長できました。最初は試行錯誤してたけど、気づけば整備士と変わらないほどのレベル。逆に好きでもないことをいくら覚えようとしても、覚えられないじゃないですか。たとえ儲かるものでも、好きじゃないと長続きしませんよ。ビジネスには必ず訪れる、困難や試練を乗り越えられたのも車が好きだったから。

一夜にして訪れた倒産の危機

─実際のビジネスはどのように進めていったのでしょうか

最初は並行輸入からスタートしました。友人と海外へ行ったら、車が日本の半額で売られてたんです。当時の為替差損も考えて、輸入すれば確実に儲かると思いました。実際、輸入した車は飛ぶように売れて、いきなり軌道に乗ってしまったんです。個人事業で6年ほど続けて、1988年に株式会社化しました。当時は並行輸入車のパイオニアでもあったし、車好きの間ではオートトレーディングルフトを知らない人はいなかったですよ。その後はディーラーやインポーターにも挑戦して、100億円企業に成長させました。

「ローバー倒産の時はお金がなくて、公園で寝てたら守衛に怒鳴られたこともありましたね。あれは頭にきた(笑)」

─その後、MGローバーの倒産はメディアも巻き込んでの大ニュースになりました

2005年のことだね。今の若い人は知らないかもしれませんが、あの倒産でうちは20億の特損(特別損失)を出すことになった。純資産が45億ぐらいあったんだけど、30億の借り入れを銀行が一気に返してくれって。うちも確実に倒産っていう状況でしたが、実は再生の道を選んだのは私なんです。ショールームから備品まで、売れるものはすべて売却して。すべての整理をなんとかやり終えて、自分1人からの再スタートだったんです。

数がわからないほど失敗を経験

─若い世代はうまくいってる南原さんしか知らないかもしれません

そうかもしれない。YouTubeやメディアのイメージのせいか、「南原さんは常に順調ですよね」って言われるけど、とんでもないですよ。フィアット社のブラーボっていう車なんて、「イケる!」と思ったら1台も売れなかった(笑)。飲食チェーンを買収した時は、5億の損失を出してますし。私のほうが、世間の経営者より失敗の数は多いんじゃないかな。

─20億円の損失と聞くと、精神的にはどうなのでしょう。仕事の困難や壁を越える上でアドバイスがあればお聞かせください

友人から「ローバーが潰れたって知ってるか?」っていきなりメールが来たんですよ。調べたら本当だった(笑)。私は淡々としてる性格なので、パニックになるようなことはありませんでした。あれほどの緊急事態だと、焦ったところで解決できないですから。仕事で困難やピンチが訪れたら、すべきことを見極めて冷静に対処してください。

次世代をサポートする新たなビジョン

─様々な経験を経て、現在の南原さんが描いてるビジョンはありますか

今は顧問を中心に、若い人のサポート活動にも力を入れてます。私自身も年齢には抗えないし、いつまでも居座る老害にもなりたくないですし。現在のITやAIの進化を見ても、若い人だけで計画的な成長戦略を描けるはず。そこに私が培ったスキルや経験の一部を渡せたら、彼らも加速度的に成長できると思うんです。必要のない遠回りをしないで済むよう、全力でサポートしていきますよ。

「クルマ好きの青年が経営者になって、必死に駆け抜けて今にたどり着きました。今は、やる気に溢れた若い人の成長が最高に楽しいんです」

─大きな志ではなく、車に対する純粋な「好き」から始まったビジネス。「数々の失敗と成功から得た知見を、次世代のサポートに使いたい」と、南原会長は語ってくれた。第一線を退いても尚、新たな活動を続ける南原会長の今後にも注目したい。

会社名株式会社LUFTホールディングス(英語表記:LUFT HOLDINGS inc.)
旧社名)オートトレーディングルフトジャパン株式会社
住所東京 :東京都港区西新橋1-5-9 ル・グラシエルBLDG.70 2階
名古屋:愛知県名古屋市東区東桜2-3-7 東カン名古屋キャステール 1階
代表
南原竜樹
代表南原竜樹
設立1988年2月12日
HPhttps://www.luft-hd.co.jp/
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