有能な学生たちと日本企業の架け橋になる

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日本のみならず、有能な韓国人学生に着目し、スタートさせた韓国での人材サービス。「生きる人を増やす」のビジョンを掲げ、グローバル時代を生き抜く学生をサポートする。

大亀雄平(おおかめ ゆうへい):1982年、兵庫県宝塚市出身。大阪市立大学在学時に株式会社ビーウェルを創業。新卒ビジネスに着目し、就活カフェ・就活イベント・講演会・企業とのマッチングなど、就活生の活動をサポート。2019年、韓国人学生の採用を支援する「KOREC」を設立。2006年の創業以来、多くの学生を支援する中でたどり着いた課題と新たなビジョンをお聞きした。

有能な韓国人学生と日本企業のマッチング事業

─創業から多くの就活生をサポートしてきた大亀さんが、新たに韓国人学生の就活ビジネスを始めたきっかけをお聞かせください

2つきっかけがあり、1つは山田功生(同社、韓国事業KOREC担当役員)との再会でした。彼は新卒で大手人材会社に入社し、一気に部長まで駆け上がったほど有能な人。また、彼と話す中で韓国との広いネットワークがあることも知った。当時、弊社は増収増益で推移しつつも、一方ではマーケットの将来に疑問を感じていたタイミングでした。「成長性が見込めない市場で、このまま勝負を続けるのか」と。グローバルビジネスを視野に入れるべきだと感じていたのです。

─国内の限界を感じていたところに、韓国とのパイプを持つ有能なビジネスパーソンが現れたと

もう1つは、マイナビコリアの韓国人フェアへの参加でした。韓国人を30人ほど面接しましたが、あの時の衝撃は今でも忘れられません。みんな日本語もうまいし、全員採用したいほど優秀なんですね。ところが、ほぼ全員が採用されないという現実にも驚きました。初めから採用する気がない、あるいは付き合い程度に参加してる企業もいる。さらには、韓国人を日本人より下だと考えている企業も多いと聞きました。私にとっては、大きなチャンスにしか見えないわけです。さっそく山田を責任者に置き、韓国のハイスペックな人材と日本企業を繋ぐサービス、「KOREC」を設立しました。

韓国事業のスタート直後にコロナ騒動が発生

─KORECを形にするにあたって、苦労したことや予想と違った点はありますか

まさに新型コロナウイルスは想定外。山田と何度も韓国へ飛んで、2019年にKORECを立ち上げました。オフラインの就職博覧会も開催し、概ね順調に進んでいたと思います。その矢先に新型コロナが発生したわけです。一切のオフラインイベントが禁止され、これまでの準備がすべて水の泡になりました。もはや採用どころか、日本と韓国の行き来すらできない。周りからは一旦やめるべきと言われ、「やりたいなら、コロナ禍が終わってから」などの提案もありました。

「2019年にKORECをスタートし、2020年の年明けにコロナを騒動が発生。あのピンチを乗り越えたおかげで、より社内の結束力も強くなったと思います」

─先が見えない状況では立ち止まるのが基本かと思いますが、大亀さんはなぜ継続を選んだのでしょうか

理由は色々ありました。すでに現地ではスタッフを雇ってましたし、社長に立てた人もビザを取得して日本から行ってもらっている。一旦やめてしまえば、みなさん別のキャリアに行かざるを得ない。それともう一つ。あそこで止めていたら、おそらく私の熱量も冷めたと思うんですね。KOREC設立までの苦労を思い出しても、改めてゼロから始める気にならず、そのまま消滅した気がします。

─経営者として人を守るのは重要ですが、事業としては初期投資どころか、経営そのものを圧迫するリスクもあると思います

おっしゃる通りです。当時の銀行は、グローバル事業には資金を出しませんでした。それでも私はこのビジネスが成功する確信を持っていたんです。ただ、現実はコロナがいつ終わるかわからないし、資金も枯渇するかもしれません。ちょうどそんなタイミングで、個人投資家の方から出資のお話をいただき、無事にコロナ禍を乗り切ることができました。リスクのあった賭けでしたが、諦めずによかったと思います。

グローバル時代を生き抜く学生を育てたい

─これまでの経験を経て、いま改めて思う展望やビジョンがあればお願いします

弊社では、学生たちに向けた講演会を毎月行なっています。現在の彼らを見ていると、私としては心配になることが多い。すでに各国から有能な人材が日本に訪れ、一部では海外で勝負を始める日本人もいます。そういう時代を迎えた今、彼らは社会を生き抜いていけるのか、グローバルな時代でもきちんと勝負できるのかと。

私は大学在学中に起業し、これまで多くの学生たちを支援してきました。しかし、現代の加速するグローバル化に向けて、さらなるサポートが必要だと感じています。そこで弊社では、新たなビジョンとして「生きる人を増やす」を掲げました。生きる人とは、スキルも精神も自立できる人間のこと。確実にグローバル化する社会を自らの足で生きていく。今後は日本や韓国だけでなく、あらゆる国の学生たちをサポートしていこうと思っています。

「台湾やベトナムなど、特にアジアには有能な学生たちが多い。今後はあらゆる国に目を向けて、日本の企業との架け橋になれたらと思ってます」

優秀な韓国人学生を目の当たりにし、日本の企業と繋ぐ「KOREC」を設立。大亀氏がかつてより描いていたグローバルビジネス。中断の危機に遭遇する中で、サービスの継続を決意した大亀氏。今後はあらゆる国の学生支援も行うビーウェルの活動に注目したい。

会社名株式会社ビーウェル bwell co.,ltd.
住所本社  〒542-0081 大阪市中央区南船場 3-7-27 NLC 心斎橋 3F
事業所 〒150-0011 東京都渋谷区東 3-9-19 VORT 恵比寿 maxim11F
代表大亀 雄平
設立2006年10月
HPhttps://bwell.jp/
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